意外と知らない耐震性の低下の原因「木痩せ」の対策方法

2022年5月16日

木痩せによるナットの緩み対策していますか?
羽子板ボルトなどのナットが緩むと、「耐震性の低下」や
クレームに繋がる」なんてことも考えられます。
今回はナットのゆるみの原因「木痩せ」に対応する金物をご紹介します。

木痩せとは

木痩せとは木材から水分が抜け、乾燥し細くなることをいいます。
木痩せは木材の含水率が関係し、含水率10%以下までは木材の木痩せ・変化が
起きやすいとされており、木痩せ対策には乾燥させてある乾燥材などを
使うことがいいとされています。

木痩せしやすい木材

建築に使われる木材には大まかに次の三種類に分けられます。
・集成材
・乾燥材
・未乾燥材(グリーン材)

集成材、乾燥材、未乾燥材の順に木痩せ幅が大きくなっていきます。
特に未乾燥材は含水率が高くかなり木痩せしやすい木材であるため、特に注意が必要です。

木痩せが起きると、、、。

木痩せが起きることで、羽子板などの緊結が緩んでしまいます。
緩むことで次のことが考えられます。

耐震性の低下
お施主様からのクレーム

◆耐震性の低下

木痩せによりナットが緩むことで、振動でさらに緩んでいきます。
熊本の震災では、ナットの脱落が報告されています。
ナットを手で簡単に回せるレベルになってくると構造体がぐらぐらと揺れやすく、
かなりの「耐震性の低下」が考えられます。
地震が起きた際、構造材の継手にかなりの負担がかかり割れなどを起こしてしまう
危険性が高くなるためナットを緊結しておく必要があります。

お施主様からのクレーム

お施主様から「屋根裏を覗いてみたら、ナットが緩んでいたけど大丈夫?」
といったクレームに繋がることが考えられます。
そのたびに増し締めなどをしているとかなりの手間となりますよね。

ナットの緩み対策

ナットの緩みの対策は二つ考えられます。
1. その都度、増し締めを行う。
2. 施工時に木痩せに対応した特殊座金を採用する。

木痩せが終わるとされる、一年後に「増し締め」を行う方も少なくないと思います。
しかし、外壁側の増し締め作業は構造上難しく、壁を壊さないと確認できません。
特にそういった箇所には木痩せ対応の特殊座金がおすすめです。

商品のご紹介

◇タイトニック(TZ12SE-I・TZ12ME-I・T-16ME-I)

・マジックリングのクサビ効果でボルトと座金が一体構造になり、接合部のズレを防止します。
・マジックリングで振動を締め付ける力に変え、スプリングでナットの緩みも防ぎます。
・タイトニックとナットのダブルナット効果で、最大引っ張り強度4.3トンでボルト破断、ナットに損傷はありません。
・アンカー・火打・羽子板・両引き羽子板・カンザシボルト・ホールダウン他
 どこにでも使用できます。(お手持ちのボルト類でご使用できます。)

用途

TZ12SE-I
105mmまでの木材および乾燥材用
木痩せ対応幅:4mm

TZ12ME-I
120以上の木材用
木痩せ対応幅:6mm

T-16ME-I
ホールダウン用
木痩せ対応幅:5mm

カナイ【インパクト座金】

木痩せ対応幅:4mm
バネ式

タナカ【オメガシュリンク座金】AJ5001

木瘦せ対応幅:5mm
バネ式

・最大5mm程度の木痩せでもスプリングによって座金が木材と密着し、ナットのガタつきを防ぎます。

タナカ【ゴム付き丸座金】

ゴム式

・天然ゴムの弾力性により乾燥による木やせ、木のヘタリによるゆるみを抑えます。
・振動吸収力により衝撃などから生じる座金の木材へのくい込みを防ぎます。
・座金にゴムを使用する事により気密性がアップしました。

木痩せ対応のナットのご紹介

耐震ウルトラナット

木痩せ対応幅:ネジ山のある限り

・蟻仕口は、木の収縮によって隙間が長期的に発生します。
 この隙間を、地震の揺れ(振動力)を利用して締めつけることで解消できます。
・地震の急激な力によってボルトのネジ山が一部破損しても
 その箇所を飛び越えて締め付けますので、ネジ山のある限りそのストロークは無限です。

おわりに

木痩せは耐震性能の低下につながるため、対策を取っておくことが必要です。
容易に増し締めができる箇所であれば、そこまで問題ありませんが
増し締めを行いにくい外壁側の座金などには木痩せ対応座金を使用してみてはいかがでしょうか?

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