結露対策②:防湿気密シートの役割と施工仕様の「最新基準」
いつも匠の一冊をご利用いただき、誠にありがとうございます。
前回は、内部結露発生の「メカニズム」と、それを招く構造的な問題、それらに対する対策の全体像(断熱・気密・換気・冷暖房のバランス)について確認しました。
今回は、内部結露を防ぐための要となる「防湿気密シート(層)」に焦点を当て、防湿気密シートの役割と施工方法についてご紹介いたします。
【気密の要】防湿気密シートの役割と施工仕様の「最新基準」
役割再確認:防湿気密シートの「命綱」としての機能
防湿気密シートは、壁体内への湿気の侵入を減少させ、躯体を乾燥状態に保つ役割を持っています。
これにより、住宅を長持ちさせることに繋がります。
一方で、断熱材は基本的に通気性があるため、温度の変化や風の圧力差などで空気の流れが発生(湿気が浸入)し、結露してしまいます。
そのため、断熱層の室内側(床・壁・天井(屋根))に防湿気密層をしっかりと連続性を確保しながら貼ることで、壁内・小屋裏・床下への湿気の侵入を防ぎます。
施行方法:防湿気密シートの施工仕様の「最新基準」
ご承知の通り、2025年4月からの省エネ基準適合義務化に伴い、気密シートの仕様と施工基準がより厳格化されています。
シートの厚さ:全地域で0.2mm以上が標準に
結露リスクや耐久性を考慮し、気密工事に使用するシートの厚さは、
全地域において0.2mm以上 (JIS A 6930適合品など)の製品の使用が事実上の標準となります。
継ぎ目処理:気密テープによる「確実な接合」が必須
気密性能(C値)を確実に達成するため、シートの継ぎ目(重ね合わせ部分)の処理方法が厳格化されています。
シートの継ぎ目は、重ね代を30mm以上確保した上で、気密・防水テープを用いて完全に密閉・接合することが必須となります。
テープ処理を行わない施工方法は、確実な気密ラインの確保に不十分と見なされます。
確実な気密施工には、シート厚さと継ぎ目のテープ処理の徹底が欠かせません。
①ダンタイトをタッカーで天井に施工します。
貼る場所に合わせてカッターでカットします。

②電気配線がある部分は、穴を開け、線を引き出し気密テープで処理します。

③次に壁に施工していきます。
ダンタイトの継ぎ目部分は、天井・壁面共に下地のある部分で30㎜以上重ね合わせ、
施工します。

④継ぎ目部分は、気密・防水テープにて処理します。

参考元:日本住環境 ダンタイト施工動画
おまけ:結露リスクをさらに軽減する「可変調湿機能シート」
可変調湿機能シートは、一般的な防湿気密シートとは異なり、季節によって透湿抵抗値が変化するという画期的な特性を持っています。
従来のシートの弱点を克服する「次世代の湿気対策」として、その機能と適用範囲を確認したいと思います。
このシートの大きな特長は、夏場の壁体内の湿気対策にあります。
冬:「防湿」機能
気密を確保し、室内からの湿気を壁体内に通しません。
夏:「透湿」機能
冷房使用時に発生しやすい結露や、壁内部の湿気を含んだ空気を断熱材の中にとどめず、湿気のみを室内に移動させます。

これにより、躯体の乾燥状態をより安定的に保ち、夏型結露のリスクを効果的に軽減することが期待できます。
この透湿機能を発揮させるために、室内側のクロスは透湿性のあるもので仕上げるなどの注意が必要です。

●ウルト【調湿可変気密シート ウートップ SDヴァリオツヴァイ】

●ウルト【気密防水テープ ユラソール】
主に平坦な継ぎ目や重なり部分の接着に使用される汎用性の高い片面テープ

●ウルト【気密防水テープ ユラソール プラス】
特に角や端の接着のために設計された特別なタイプ

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≫ 夏型結露対策にも!可変調湿気密シートのご紹介
次回は、防湿気密シートの施工で最も隙間ができやすい「構造躯体との取り合い部」の気密処理について、施工例を交えて解説します。
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