ホールダウン金物とは?阪神・淡路大震災から学ぶ耐震補強対策

地震や台風などの災害が多い日本では、住宅を建てる際、求められる重要な条件の1つに耐震性が挙げられます。特に、阪神・淡路大震災ではホールダウン金物を使用していた住宅の倒壊がほとんどなかったことから、ホールダウン金物の重要性が再認識されました。今回は、阪神淡路大震災以降の耐震補強対策についてご説明します。

ホールダウン金物とは

ホールダウン金物とは、地震などによる揺れが起こった際に、柱が土台や梁から抜けないようにするために取り付ける金物のことで、引き寄せ金物とも呼ばれます。2000年の「建設省告示1460号」でホールダウン金物の取り付けが義務付けられました。

阪神・淡路大震災での住宅倒壊状況

阪神・淡路大震災が起こった当時、2階建て住宅を建てる際に構造計算の義務付けがなく、接合部に使用する金物も定められていない状況でした。そのため、多くの住宅ではホールダウン金物が使用されておらず、全壊・半壊など多くの被害が出ました。しかし、当時から構造計算の義務付けがあった3階建て住宅の建築では、ホールダウン金物が使用されており、ほとんど倒壊被害がなかったのです。

ホールダウン金物を使った耐震補強対策

ホールダウン金物は、耐震診断と構造計算によって算出される引抜き力の大きさにより、取り付ける金物の大きさが変わります。

現在新築の住宅にはホールダウン金物が使用されていますが、1981年以前の住宅では無筋の基礎が多く、また既にコンクリートの劣化が進行している場合もあります。そのため、古い家屋の耐震改修工事で増基礎など基礎補強が必要となる事が多くなります。