アンカーボルト(戸建住宅)の埋め込みと耐力について

木造住宅のアンカーボルトの埋め込み深さについての質問がよくあるので調べてみました。

『木造住宅軸組工法接合補強金物施工ガイドブック2016/08 P362~364ページ』から引用させていただきます。アンカーボルトのかぶり厚は建築基準法の中には書かれておりません。鉄筋についてのコンクリートのかぶり厚は建築基準法施行令第79条で決めらるているのでこれに準じてアンカーボルトのかぶり厚についても考えていることが一般的のようです。それにより基礎立上り部分は40㎜のかぶりが必要となります。ホールダウン用のM16のアンカーボルトの埋め込みの長さの検討については引き抜き強度によって決まります。強度は一般的にアンカーボルトのコンクリートに接する表面積に比例し、アンカーが太くなるほど、また深く埋め込むほど、引き抜き体力が大きくなります。埋め込み長さの求め方は一般的に丸鋼の直径の35~40倍必要と言われてます。

しかし、通常の戸建建築の現場では住宅金融支援機構が発行しているる木造住宅工事共通仕様書にのっとって工事されています。25,0KNのホールダウン対応で360mm以上。30,0KNには429㎜以上、35KNには500㎜以上の埋め込み長さが必要となります。Zマーク金物のM16アンカーボルトでは短期付着耐力が25,3KNしか出ておりません。Zマークアンカーボルトでは25KNのホールダウン金物までしか使用することが出来ないことになります。しかしながら、近年では50KN以上のホールダウン金物も多く出てきております。各金物メーカーではそれに対応して高耐力でも破断に強い特殊鋼を用いたり先端部を傘型にして引き抜き強度を上げたりした製品を開発して来ております。これにより、埋め込み長さを短くできる商品を開発してきております。埋め込み長さを短くすることが出来るアンカーボルトが各金物メーカーから発売されたことにより、三階建などの基礎立ち上がり高さも低くすることが可能となり、コストダウンにつながっているとのことです。匠の一冊でも、各金物メーカーのオリジナルアンカーボルトの販売数も大きく伸びてきております。